2020年12月26日土曜日

GPDWIN2 のヒンジが壊れた?直す方法を伝授します

GPDWIN2 のヒンジを直す方法

結論

・GPDWIN2 のヒンジはプラリペアで直せる

・直し方のコツは
 ディスプレイを閉じた状態で流し込む事

・プラリペアはカーボン入りのブラックが良い



GPDWIN2 とは?


GPDWIN2 は中国のGPD社がリリースした
ゲームパッド付きの超小型パソコンです。

GPDWIN2 を手に持つとこんなサイズ

ウルトラモバイルパソコンを略してUMPCという
カテゴリに属するマニア向けのパソコンです。

6インチの高詳細ディスプレイを搭載し、
OSはWindows10を標準搭載。

バッテリー容量も9800mAhを詰んでおり、
6時間くらいぶっ続けでゲームが出来る為
一部のマニアから絶大な人気を誇っています。

新型のGPDWINMAX がすでにリリースされている為、AmazonなどのECサイトでかなり価格も
下がってきています。


そんな大人気のGPDWIN2 だが、一つ欠点がある

GPDWIN2 の欠点



GPDWIN2 の欠点、、、それは
『ヒンジが壊れやすい事』

↓この写真を見て欲しい↓
GPDWIN2 のヒンジが壊れた写真1

左側のヒンジアップ写真
左側のヒンジの拡大写真

見ての通り、ヒンジを覆うプラスチック部品が
割れてしまっている。

こうなってしまうと、ディスプレイの開閉が
グラグラになってしまい、満足に使う事が難しくなる。
(すぐにパカパカ開いてしまう)

ヒンジを覆う部品は一体品の為、交換は困難

しかもこのヒンジを覆うプラスチック部品は、
キーボード周りを覆うシェルと一体部品であり
ユーザーが簡単に交換するのは困難である。

ちなみに国内だと
『天空株式会社』や『デントオンライン』なら
シェル交換修理を受け付けてくれるが
保証期間を過ぎると1万円以上取られる、、、。

〜修理価格の参考値〜
天空株式会社の場合:
部品代2500+技術料7500=1万円※

デントオンラインショップの場合:
合わせて1万円4000円※

※共に2020年11月に
 筆者が直接問い合わせた結果です。

うーむこれはタチが悪いな、、、
何とかして自分で直せないのか?

と誰もが考えるはずだ。


ヒンジの修復の失敗例


GPDWIN2 のヒンジが壊れて困っている人は世の中に結構いるみたいでネットでも散見される。

・失敗例その1

『接着剤を使ってもすぐに剥がれる』

接着剤でヒンジを直した写真
ヒンジのプラスチック部品が割れたのだから
アロンアルファなどの瞬間接着剤で修繕したいと
考えるのは極めて自然だ。

筆者も実際に試みた。

結果として上手くやれば一時的には直る。

しかーし、すぐに剥がれてしまう、、、


ヒンジ部には大きな力がかかっており、
・アロンアルファ2液混合タイプ
・アロンアルファゼリー状

など色々なタイプを試したが、
どれを使っても大差は無い。

『大抵は2〜3回の開閉でまたパキっと壊れる』

瞬間接着剤では大きな力のかかるヒンジを
直すのは難しいと考えた方が良い。

なお、下手をすると瞬間接着剤により、
ヒンジ部を接着してしまい、動かなくなるリスクもあるのでサラサラの接着剤で修繕するのは
オススメしない。

・失敗例2

『パテ等で固定しようとして失敗する』
パテでヒンジ部を修復して失敗した例

これはヤフオクで見かけたGPDWIN2 のヒンジ部
の修復例である。

強力なパテでヒンジを修復した様子である。

何とも可哀想な状態である。

ちなみに裏側はこんな感じ。
パテで修繕して失敗した例

なんじゃコレ?
ボタンが一つ潰れてしまっているではないか?


しかもこの状態では手前のパテが邪魔になって
フタを閉じる事が出来ないと思われる。

うーむ、
GPDWIN2 は折りたたんで手軽に運ぶ事が出来る
のがウリだから、この様にフタを閉じる事が
出来なければ、魅力半減なのだ。
Gpdwin2 を折り畳んだ状態

パテでGPDWIN2 のヒンジ部を修復するのは
多分失敗すると考えて良い。

見た目にも筆者はオススメしない。


じゃあどうやって直すのか?

ここからは筆者の自己流の方法なので
試す人は自己責任でお願いします。


オススメのヒンジの直し方

プラリペアを使ってヒンジを直す

それはズバリ『プラリペア』を使う事

プラリペアの写真
プラリペア外観写真


プラリペアとは合成樹脂のパウダーと
専用のリキッドを混合して重合硬化させる
補修材です。

室温で5分程度で固まるのと、
固まったあとは普通のプラスチックと同等の強度
を有する為、非常に強力な補修材となります。

考え方としては、くっつけるのでは無く、
プラスチック部を作ってしまうに近いと思います

作るといってもただ流し込むだけです。
結構簡単に誰でも出来ます。

ただし手順を間違うとGPDWIN2 のヒンジを
直す事は出来ないので具体的な使い方のポイント
をいくつか分けて紹介したいと思う。


具体的なヒンジ修繕の手順

筆者が色々と試行錯誤して行き着いたステップは
以下の通りです。


1.ヒンジを覆うプラスチック部を剥がす。
2.GPDWIN2 のディスプレイ蓋を閉じる
3.プラリペアをニードル法で流し込む
4.2〜3分後に粘土状になるので指で軽く押し込む
5.フタを閉じた状態で24時間放置
6.そっと動かして稼働することを確認する


この中で特に重要なポイントは
1.元あったプラスチックを敢えて剥がしてしまう
2.ディスプレイは閉じた状態でプラリペアを流す
4.粘土状になったら軽く指で押し込む
です。

順番に説明していこうと思う。

1.ヒンジ部のプラスチックを剥がす

まず基本的な考え方として、GPDWIN2 のヒンジ
プラスチック部は大きな力がかかっており、
接着するという考え方では直すのは難しい。

ならば新たにその部分を作ってしまえば良い。

そして
新たに部品を作るのであれば
『元あったプラスチックは不要だ』
『潔く剥がしてしまうのが正しい』

この割り切りが重要だ。

幸いこのヒンジ部のプラスチックは
ペンチなどでつまめばこの様に剥がす事が可能だ
ひっぺがされたヒンジ部のプラスチック

この様に小指の爪ほどのサイズを切り外す事に
まずは注力しよう。

どうせ接着剤で修繕してもすぐ外れてしまうのだから気にする必要はない。

写真の様に割れ目に沿って綺麗に外れるはずだ。

そうすると中の金属ロッドが剥き出しになるので
その部分にプラリペアを流していく。


2.GPDWIN2 のディスプレイを閉じる



プラリペアを使う前に大事な事を一つ。

ディスプレイを閉じる事。

最初筆者はディスプレイをフルに開いた状態で
プラリペアを使っていたが
それだと上手くいかない様だ。

なぜならディスプレイを開いた状態だと軸の
ロッドの切り欠き部分にプラリペアが流れて
しまい、固まった後にディスプレイを動かすと
プラリペアといえども割れてしまうから。

ディスプレイを閉じた状態であれば
軸の金属ロッド真円部分にしかプラリペアが
流れ込まないので問題なく再生出来る。

分かりにくい断面図だが、
お分かり頂けるだろうか?(クリックして拡大)
GPDWIN2 のヒンジ断面図


ディスプレイ蓋は閉じた状態でプラリペアを
流し込むのが正解だ。

3.プラリペアをニードル法で流し込む


プラリペアの内容はこちらの写真の様になってます。必要なものは全てセットで1000円程度で
Amazonとかで買えます。
プラリペアセット内容



ニードル法については
メーカーのこの動画を参照して欲しい。


自信がないうちは何か別の所で練習してみると
良いと思う。

ちなみにGPDWIN2 のヒンジ部を直すのには
色のマッチング、炭素繊維を含む強度を考慮して
黒のプラリペアがベストだ。


ディスプレイフタを閉じた状態でGPDWIN2 の
ヒンジ部を補修するとこんな感じになる。

プラリペアを流し込んだ状態




流し込んだすぐはベタベタの状態だが、
2〜3分もすれば粘土状になって固まってくる。

こうなったら次のステップが重要だ

4.粘土状になったら指で軽く押し込む。

先程の下手くそな手書きの断面図を思い出すと
分かるが、プラリペアは真円断面しか
現れていない状態でプラリペアを流している。

つまり、プラリペアは金属ロッドの上に乗って
いるだけだ。

このままでも穴は塞ぐ事は出来るが
ロッドとプラリペアの密着度を上げる為に
軽く指で押し込む、、、これが重要だ。

それにより粘土状態のプラリペアが適度に
隙間に入り込む事により、ヒンジ独特の回転時
の抵抗となり、固まった後でパカパカするのを
防ぐ効果がある。


あまりムギューっと押し込む必要は無いので
適度に押し込んでおく。

2、3分経ったプラリペアは粘土質になっており
指にくっつくこともない。

この時に表面の形を整えてしまうのも手だ。

5.フタを閉じて24時間放置


ここまで来れば完成は目の前だ。
ディスプレイを閉じたまま24時間放置する。

一応、メーカーの公称では5分で固まる事に
なっているが本格的な樹脂の硬さになるには
24時間しっかり放置した方が安全だ。

6.そっとフタを動かして稼働を確認

24時間放置したら、そっとフタを動かして
問題なくヒンジが壊れない事を確認してみよう。

この時、ディスプレイを動かした時の硬さと
いうか抵抗はステップ4の指で押し込む強さに
依存する。

固めが良いという人はステップ4で
少し強めに押し込んだ方が良いかもしれない。


ちなみに、、、

その後の経過


本記事の方法で実際に私のGPDWIN2 のヒンジ部
を修繕して約3週間が経過した写真がこちら。

ヒンジ修繕後、3週間経過後の写真


ちょっと見た目は悪いけど
ヒンジは壊れる事なく、快適に使えております。

同じ様にヒンジが壊れて困っている人は
良かったら試してみて下さい。

補足

以上の方法で上手く行かなかった人は写真の様に
クリップでヒンジを固定すると良いです。
クリップでヒンジを固定
これなら確実にヒンジを固定出来る

用意する物

・100均のクリップ
・プライヤー、ラジオペンチなど

クリップの加工方法

1.クリップを以下の様に掴む
プライヤーの持ち方
2.短い方を下へ 長い方を上に曲げる
こんな感じ

3.次にもう片方の先端を下の写真の様に曲げる

4.最後に先端の2本を持ち上げるように曲げる
クリップの完成写真

完成したクリップの使い方

5.ヒンジの部分に横から差し込む

6.これでヒンジを固定する事が出来ます
前にも後ろにも倒れない!
ちょうど良い角度になる様に
何度か試行錯誤してみて下さい


なお、遊び終わったら、クリップを引き抜いて
使う時はまた差し込めば良い。

これでヒンジが壊れてパカパカになったGPD WIN2もまた快適に遊ぶ事が出来るので、是非やってみて下さい。
正面から見た写真
(先端部はガラスに当たってません)

クリップを入れて後ろから見た写真
後ろから見た写真
(ボタンとの干渉もなし)

この方法で上手くいった方は是非
コメント入れてください。筆者の励みになります

ちなみにクリップは
このタイプがジャストサイズです。

まとめ

・GPDWIN2 のヒンジはプラリペアで直せる

・直し方のコツは
 ディスプレイを閉じた状態で流し込む事

・プラリペアはカーボン入りのブラックが良い


GPDWIN2 は小型でゲームにピッタリ。
ヒンジが壊れたからといって諦めず、自分で直してみよう。

今なら安く手に入るかも、、、


皆さんも良かったら試してみてください。

本日は以上です。


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